久しぶりに新幹線に乗る。緊急事態宣言が解除されて乗客は増えている。「こだま」の自由席の乗車率は30%位か、小田原で下車する。小田原は東海道の9番目の宿場、相模国の小田原城下、江戸を出て最初の城下町だ。小田原で宿を取る旅人が多く、旅籠の数も他の宿場と比較して多かった。と言うのは小田原を出ると東海道の最初の難所が待っている。三島宿まで約8里、箱根八里の山越えである。山間部は雲助や護摩の灰などの輩が出没し、旅人とのトラブルが多かった。悪天候時や、まして夜間の山越えは危険である。無理をしないで小田原宿で休んで、翌朝出発して明るいうちに一気に箱根を踏破した方が賢明である。ちなみに新幹線の小田原から三島までの営業距離は36.8km。小田原から熱海まではカーブがきつく、速度が制限され、ちょっとストレスを感じる所であるが、新丹奈トンネルを抜けて僅か20分で三島に着く。現代の旅に雲助の出番はない。